うちの犬は特に面白いことはないし、不思議なこともない。ただ、強いて言えば見ているだけで面白い。それまでであれば空気が占めていたであろう空間の一部を、代わりに柴犬が占めていることの不思議。思わずニヤケてしまう。一体全体いつの間に、どこから勝手にうちに上がり込んだのかと思う。自分で連れてきておきながらこんなことを言うのもどうかしているが。
チャイは僕にとって二匹目の柴犬だが、最初の一匹を飼い始めたのはもう二十年近く前のことになる。アメリカで絵の勉強を終えて帰国し、友達も居ないので犬でも飼おうかということになった。
穴のあくほどカタログを眺めてスペックを比較検討した結果、パグがいいということになり、一旦心を決めてからというもの、ことあるごとにパグ、パグ、と唱えていた。そんな折、叔母から連絡があり、知り合いのブリーダーに売れ残ったメスの柴犬が一匹待機しているという。やっぱり日本人なら柴犬だよねと返事するが早いか、僕は四万円を握りしめて向ケ丘遊園の駅に立っていたのである。
ブリーダーから籠に入った仔犬を受け取り、嬉しくて顔もろくろく確認しないまま、電車で家に連れ帰った。この犬がとても人なつこくて、それ以来ずっと柴犬のファンだ。
名前は「うに」といって、12年ほど生きた。
それからしばらく犬の居ない生活をして、一昨年またうちに来た柴犬がチャイである。きっかけは近所の電柱にあった「柴犬の仔犬譲ります」という貼り紙。背中を押したのは、ある雑誌でちょうど連載が始まったばかりの『柴犬人会』という一コママンガのような仕事だった。
というわけで、チャイは仕事の資料であり、経費で買った。
ただし、マンガになるような面白いネタはなかなか提供してくれないようだ。それに、うにと比べて愛想がない。猫のような犬だ。資料だからかな。そんなふうに思いつつも見ているだけで面白く、ニヤケてしまうのである。
4月5日に追加です。
いろいろ情報も出てきたようですので、寄付先は赤十字でなくても結構です。ご自分で調べて信頼できると思われるところで、この震災に関係する寄付でしたら、その領収書をお送りください。
寄付先について参考になるリンクを掲載しておきます。
東日本大震災支援全国ネットワーク
どこに寄付をしたら、どこにお金が行くのか
3月17日のエントリー。
東北地方太平洋沖地震の募金として自分の作品の高解像度データ販売を開始しました。画像はこの三種類です。もし協力しても良いという方がいらっしゃいましたら、五千円以上を赤十字に寄付してその領収書をメールで僕のところへ送ってください。三種類の中からお好きな一点の高解像度版を差し上げます。画像はJPEGで300dpi、高さが35センチ相当のプリントを出力できます。額に入れて飾るなり、ポストカードを作るなり、壁紙にするなりご自由にお使いいただければ幸いです。ただし、商用ではなく個人的な楽しみの範囲でご利用ください。よろしくお願いします。
japan@tatsurokiuchi.comまで領収書を送ってください。
A、B、Cどの絵がご希望かもお忘れなく!
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Many pale faces pass by when I go for a walk at night. (by Tatsuro Kiuchi 木内 達朗)
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